頭北面西とは遺体の頭を北側に向け、顔を西側に向けて安置する行為です。
寺院などにある涅槃図が頭北面西の由来になります。
涅槃図というのは、釈迦が亡くなったときの様子を描いたものです。
釈迦が入滅したとき肉体は死を迎えますが、魂は永遠になります。
涅槃は、全ての煩悩を捨てて悟りの境地についた状態を示しています。
釈迦が涅槃に入ったときの姿勢は、頭北面西と呼ばれるようになり現在に至ります。
釈迦が入滅したとき、頭は北向きで顔は西向きになり右肩を下げています。
現在の頭北面西は、頭は北向きですが顔は上向きで安置されるのが一般的です。
基本的に、顔の上には白い布がかけられます。
仏教では釈迦が入滅したときと同じ頭の向きにしますが、それは迷わずに極楽浄土に行って欲しいという願いが込められています。
仏教には様々な宗派がありますが、宗派を問わず頭北面西の姿勢で安置します。
頭の上部か横に線香や花立などの枕飾りが置かれます。
間取りの関係で北枕が困難な場合は、西枕が採用されるケースもあります。
北枕は亡くなった人を安置するというイメージが強いため、日本では未だに北枕で寝てはいけないという迷信が残っています。
仏教には北枕に関する教えはなく、内臓が休まる姿勢なので北枕で寝てる人もいます。