お彼岸をはじめとして、日本には仏教にまつわる慣習が多く残っています。それらのなかには、七回忌のように長い間隔をあけて実施されるものも少なくありません。
誰でも知っているような有名なものもあれば、ほとんどの人が聞いたことがないようなものも存在します。祥月命日も後者の一つであり、あまり知名度は高くありません。
ですから要性に迫られたときに、適切に対処できないケースもあるでしょう。しかし実際には、それほど難しい話ではないので安心してください。
基本的には、命日とそれほど変わらないと考えていて大丈夫です。なぜなら祥月命日とは、一周忌の後に迎えることが条件として加わっているだけだからです。
たとえば、故人の亡くなった日が4月3日だとします。その場合は一周忌以降の4月3日が祥月命日となります。ちなみに祥月という表現であれば、4月のみを指すので注意してください。
それらの名称がついた理由には諸説ありますが、有力とされているのは中国のしきたりを起源とするものです。しかし起源について理解を深めるよりも、実際に行う必要がある供養を把握しておくことがポイントになります。とはいえ、地域差や仏教との関わりの度合いによって、家庭ごとに差があるのが実情となっています。
故人をしのぶことは共通していますが、仏壇やお墓の有無によっても方法はさまざまです。仏壇などがあるなら、しきみなどの花を供えて祈りを捧げるのが基本となっています。
そう言われても、「しきみとは?」と疑問に感じる人もいるでしょう。仏教と深く関わる植物であり、葬儀などは定番となっています。
名前は知らなくても、見たことがある人はとても多いでしょう。絶対的なルールがあるわけでなく、もし故人が好きだった花があればそれを用意するという手もあります。
故人が好きだったお菓子などを添える人も珍しくありません。
ただし、共同墓地の場合は香りの強いものや腐りやすいものは避けたほうが良いでしょう。