葬儀用語 須弥壇とは?

須弥壇とは寺院にある本尊もとい仏像を安置するための壇で、床よりも高くしている事が特徴的です。

趣味壇は仏教において聖なる領域である「須弥山」に見立てられており、その向かい側に置かれる座布団は人間たちが住む世界もとい島だとされています。

そのため、仏を象徴する本尊が須弥壇に設置されているわけです。実際にこの壇は別名「仏の座」と呼ばれていますが、実は中世までは仏壇のことを「須弥壇」と呼んでいました。現在では寺院にある壇を須弥壇、家庭にある壇は仏壇と呼びますが、三段構造になっている仏壇の一番高い部分を未だに「須弥壇」と呼んだりもします。

このような名称の変化は別なところでも起こっており、真宗大谷派の本山こと東本願寺では2009年まで真宗本廟納骨をそう呼んでいた模様です。

この場合は僧侶たちの世界に限った話ではあるものの、いずれにしても須弥壇が聖なるものである事に変わりはありません。
そもそも須弥山とは仏たちが住んでいる山で、その起源は古代インドのメール山だとされています。

この山は仏教だけでなくバラモン教やヒンドゥー教など多種多様な宗教でも登場しているものの、7つの黄金の山と鉄囲山という山々があり、その間に8つの海があり、これらをまとめた「九山八海」といい、世界の中心に聖なる山があると考えられているのが仏教です。正確にはその周りを回っている神格化された月や太陽に山の外側にある4つの島など他にも様々な物がありますが、いずれにしても須弥山が中心にあります。

そんな山を模した須弥壇は基本的に木製で、形状は八角形や四角、円形に長方形など多種多様となっています。

先述したように聖なる山には仏たちが住んでいるため、極楽浄土を彷彿とさせる装飾が施されており、仏の神聖さをアピールするために精密な加工がされているのが一般的です。
代表的な壇は岩手県平泉にある金色堂で、この壇は日本の中でもトップクラスだとされています。


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