逆さ水とは遺体を綺麗にする時に、行う作法のことを言います。
遺体を綺麗にする際にはお湯で洗浄をしこれを湯灌と言いますが、湯灌をするときのお湯を作る手順が通常とは異なります。
普通お湯を作る時には、水に火を加えて沸騰させてお湯を作ります。
逆さ水は文字通り、その逆さまの手順を取ることを指し、水の入った桶や洗面器にお湯を加えて適温のお湯を作り出すのです。
それではなぜすでに沸騰したお湯が適温になるまで冷めるのを待つ、あるいは水を加えて冷ますのでは行けないのかということですが、死は生物である以上避けられないものでありつつも好ましいものではないため、非日常のものであって欲しいと古くから人々は願っていました。
そこで、普段は行わない非日常的な手順を取ることによって、死を非日常のものにしようとしたのです。
また、死後の世界は現世と全て逆になっていると考えられているため、遺体を洗浄するためのお湯にしても普段と逆の手順で行われるようになったというわけです。
古くは遺族が行っていた湯灌ですが、最近は専門の業者が行うようになりつつあります。
湯灌自体も必ずしなければならないというものではありませんが、胡人に対して最後は綺麗な姿で送り出してあげたいと願う人は多いため、湯灌をすることが多くなっています。
葬儀関係には日常生活ではあまり行われないような儀式がいくつもあり、逆さ水もその一つとなっているので、知識の一つとして覚えておきましょう。