枕経とはその名の通り臨終を迎える方の枕もとで僧侶がお経を読む行為のことですが、現代においては臨終を迎えた後に行う行為になっています。
昔は自宅で親族に見守られながら静かに他界することが多かったので枕経が自ずと成り立ちましたが、今はほとんどの場合病院で息を引き取るというのが一般的であるため物理的に困難です。
仏式の葬儀で、臨終後のお通夜の前というタイミングで行われることが多いです。僧侶への枕経の依頼は、遺体を安置する場所が決定してからになります。
亡くなった直後の一番最初に読むお経であり、お通夜や告別式などで読むものとは少し性質が異なります。
家族が他界した直後は悲しみに打ちひしがれながらありとあらゆる準備をしなければならない状況で、物理的にも時間的にも身体的にも精神的にも余裕が無くなります。
僧侶にお経を読んでもらうことで大切な家族とのお別れに立ち会う心構えが出来て、緊張が和らぎ気持ち的に楽になるはずです。
枕経の際は喪服に着替えたりする必要はありませんが、黒っぽい服装にするのがベターです。数珠は用意しておいた方が良いでしょう。
省略されることが増えた枕経ですが、大切な儀式の一つですので余裕があれば行うべきです。