六文銭とは、亡くなられた方と一緒にお棺にいれる副葬品のひとつです。
一般的な仏教の概念として、亡くなられた人は49日かけて浄土を目指すといわれていて、六文銭はその旅に必要になるお金になります。
亡くなられた方は、三途の川を渡るときに渡し賃が必要になり、そのお金が六文銭になります。三途の川はこの世とあの世を隔てる川といわれていて、お金を必要とする最後の機会になるのです。
その渡し賃が六文ということになり、死者が最後に支払う交通費のようなものになります。死装束で用いられる、頭陀袋の中に入れた状態でお棺の中に入れます。
死に装束は、正式名称を仏衣といい、故人が最後に身につけるものになります。頭陀袋は僧が首からかける、平たい布製の入れ物です。
昔は本物のお金を使っていた時代もあったのですが、現在社会では使用していない通貨になり、火葬しても燃え残ってしまうので、現在では本物の硬貨は使用しないようになっています。
現在では本物の貨幣を破損してはいけない法律があるので、六文銭を火葬前に渡したいときは、貨幣がプリントされた紙を納めることができます。
六文銭は、故人が旅の途中で困ることがないようにという遺族の思いが込められているものになります。