灯明はとうみょうと言い、別名で燈明や御灯といった表現もあります。
意味は神仏に供える火のことで、仏教における闇を照らす知恵の光を意味します。
昔は油を使って油皿に火を灯していましたが、現在は安全上の理由からロウソク、電球に置き換えられています。
いわゆる浄火ですから、火を消す際には息を吹き掛けるのではなく、手か扇であおぐのが基本です。
灯明は自身を燃やして周りを照らす様子から、身を削り他人に施す菩薩行の献身がイメージされます。
釈迦によれば、自らを灯明として頼りとし、他人を頼りにせず法を灯明とするとされています。
灯明を拠り所として他のものは拠り所としない、これが釈迦の残した遺言です。
このような考え方は自灯明や法灯明と呼ばれ、時代を超えて受け継がれたり、現代においても守られています。
現代では香炉や花立と並び、セットで三具足といいます。
仏壇の向かって左側が花立、中央はお線香の香炉で、右側に燭台が並べられます。
花立と燭台が1対ずつセットのタイプは、五具足と呼ばれるものです。
電気で灯りを灯す現代の仕様は、火を使う昔ながらの方法と比べて、何処かありがたみの薄さを感じさせます。
しかし手間なく安全で受け入れられていますから、電気を使うタイプが定着しているのも頷けます。