葬儀でよく使用される言葉に、荼毘(だび)と言う言葉があります。荼毘とは亡くなった方を火葬することを意味し、最近では葬儀が行われたことに対しても広い意味で用いられることが多くなっています。
元々、荼毘と言う言葉は、大乗仏教の経典で用いられてきたサンスクリット語の言葉に由来し、意味としては燃やすことや火葬となります。
お釈迦様が薪で火葬されたことが仏教の正式な葬儀の方法となり、火葬することを、「荼毘に付す」と言うようになりました。日本では、古くは西暦700年代から僧侶や天皇を中心に荼毘に付すことが行われてきました。
さらに鎌倉時代になる一般庶民にも広がりました。1970年代に入り、一時期火葬を中止した時期もありましたが、特に東京や大阪などの大都市圏では、用地が不足することや衛生面の問題もあり、すぐに火葬が再開されました。
仏教用語と言うことで、本来は仏教徒以外の方が火葬されても荼毘に付すとは言わないのですが、このように日本では火葬での葬儀が大半を占めるため、葬式はイコール火葬となり、葬儀がとりおこなわれたことを、荼毘に付すと言うことが多くなっています。
また、荼毘に付すという言い方をすることで、遺体を焼くリアルなイメージを持たずに済むことも、よく用いられる理由と言えるでしょう。