訃報を聞いて葬儀に行くことになる、というのは突然であることも少なくありません。人によってはそれほど多くの機会があるわけでもないので、葬儀がどのようにおこなわれるのか、何をすべきなのかよくわからないことも多いでしょう。また葬儀の内容やしきたりは流派や地域によっても違いがあるものです。これも葬儀が分かりにくい原因の1つです。
「指名焼香」という言葉を聞いたことがある人もいるかも知れません。これは焼香をするときに人を指定して行うのが特徴です。選ばれるのは大抵は家族や遺族、それに故人と親しい関係だった人となります。そして名指しされた人がすべて終えたら、その他の弔問客が続くという流れになります。
指名焼香は「指名線香」と、間違われてしまうこともゼロではありません。うっかり言い間違えては、相手に指名線香とは?と思わせてしまう可能性があります。一般的に焼香で使われるのは葬儀のときは抹香、通夜の時は線香であることが多いです。
もちろん地域や宗派によって違いがあり、葬儀の焼香にも線香が使われることもあります。とはいえ、実際の方法はそれぞれの場に詳しい人に確認しておくのがおすすめです。しかし線香を使用する場合でも、人物を指定しておこなうことの呼び方としては、指名線香でなく指名焼香というのが正しいでしょう。
そんな指名焼香は、誰がどの順番でおこなうか決めるのに悩むことも少なくありません。また近頃では、家族葬のような小規模のお葬式が行われることも増えているため、指名焼香はしないということも多いです。そのほかにも喪主だけが名前を呼ばれ、その他の人は喪主の後に順番に続くということも多くなっています。
指名焼香をする機会は減っている傾向にありますが、沢山の人が参列するような大きな葬儀がおこなわれるときには、これからも名指しされることもあるでしょう。指名焼香はいざという時に慌てないよう、あらかじめ知っておきたいことの1つです。