葬儀の際には一般的に香典をもちよることになるでしょう。亡くなった人と関係が近ければ近いほど、包む金額も高くなるものです。当たり前のこととして香典を持参している人が多いですが、実際の意味を知っている人は少ないものです。
香典の意味を説明する前に、まずはお香の話が必要となります。葬儀の際にはろうそくや線香の火を絶やしてはならないということを聞いたことがある人は多いでしょう。
また線香やろうそくの火は命のともしびだから、口で吹き消してはいけないと言われた人もいるかもしれません。このお香や線香の煙は、あの世とこの世を結ぶものとされていて、お香や線香などをたいてお参りすることによって、煙に思いを乗せてあの世へ届けるという意味があります。
また葬儀では、煙を目印にして、魂があの世へ行けるという意味から、お香や線香などをたいているとも言われています。
このような理由で絶やしてはいけないといわれているということです。線香は江戸時代に開発されたお香であり、長くお香をたくために線香が完成したというわけです。つまり線香はもともとはお香だったということです。
このようなお香を絶やさないようにするためには、お香がたくさん必要となるでしょう。葬儀になると周りの人たちはたくさんのお香を持ち寄っていたといわれています。
江戸時代になって線香が開発されるとたくさんの金品を持ち寄るようになったということです。これが香典のもともとの意味なのです。
香典は現代においては、相互扶助の意味を持っています。急に葬儀を執り行うことになり、物入りでもあり経済的にも大変なのでという助け合いの気持ちが、香典としてあらわされているということです。
喪主側としては、香典が持ち寄られることに対し、わざわざお参りに来てくれて、さらにはお金で助けてもらっているのに、何もお返しをしないわけにはいかないという思いから、香典返しが必要となってきたということです。
もらった分だけすべてをお返ししてしまえば相互扶助の意味がなくなってしまうので、通常であれば半返しが目安だとされています。