人が亡くなったら、最後のお別れをしてあのように送り出すためにお通夜、お葬式が執り行われます。そのとき、儀式が始まるまでの間は、家や斎場に遺体が安置されるのですが、枕元にはろうそくや食べ物など枕飾りと呼ばれるものを置きます。枕団子とは、その枕飾りの一種です。
飾りと言っても、プラスチックなどの玩具ではなく本当に人が食べるうるち米の粉(上新粉)から作られた団子です。地域や宗旨・宗派によって置き方や必要な数は異なりますが、一般的に枕飯と合わせ枕膳として置かれます。
なぜ枕団子が置かれるようになったのかというと由来は諸説ありますが、お釈迦様が入滅(肉体を消滅させ涅槃に入ること、つまり死)するときに、菩薩が香飯(清浄なご飯)を食べさせようとしたけれども断ったので死後に団子を供えるようになったからという話からです。
現在では枕団子は葬儀社を利用しているならば、そちらで用意してくれますからわざわざ作る必要はありません。でも、最後のお別れだから家族がつくってあげたいというのであれば、葬儀社に話を通しておきましょう。
作り方は簡単で、上新粉にお湯を混ぜ適度な硬さになったのを確認したら、茹でるか蒸します。どちらにするのかは地域によって変わってきますから、親戚などに相談してみましょう。出来上がった枕団子は、小皿に盛り付けます。枕膳は枕飯を盛った茶碗と枕団子をおいた小皿を、出棺時に割る風習があります。これは、故人がこのように未練を残さないようにするためです。ですから、故人が使っていた食器を使う場合もありますが、残しておきたいならばスーパーや100円ショップなどで割っても良い小皿を買ってきて使うと良いでしょう。
枕団子は、基本的に火葬が行われるまでは毎日取り替えます。もし亡くなってから、何かの理由でお通夜やお葬式をするまでに日にちがあったとしたら、それまでは作り続けなければいけません。
そしてお供えが終わったらお下がりとして食べるのですが、火葬の日はお棺に入れておきます。なお、地域によっては食べずに処分することもありますから、これも確認しておいたほうがいいです。