葬儀に際して喪主を選ぶ場合は故人が生前に遺した遺言が最も強い影響力を有するので、遺言にて喪主が指定していた事例では遺言に従い喪主を決めましょう。
一方、遺言にて指定されていない事例では大きく分けて3つから選ぶ事ができ、3つの中で最も優先度が高いのが慣習による決め方です。
慣習では亡くなられた方の配偶者を喪主とするため夫が亡くなられた際には妻となり、妻が亡くなられた際には夫が喪主となります。
慣習では配偶者が選ばれる事例が多いものの、高齢で葬儀に関する様々な事柄が心身ともに負担になったり、病気を患っていて務める事が難しい時には血縁関係において関係性が深い方が選ばれます。
血縁関係の中で決める時には最も優先度が高い続柄が長男であり次いで次男や長女、次女や亡くなられた方の両親といった順番です。
配偶者に血縁関係の方や配偶者が存在していない時は友人知人まで範囲が広げられて務める方の選定が行われ、友人知人の中でも務める方が見つからない時には、生前に利用していた介護施設などの代表が喪主を担当する事もあります。
友人知人や施設の代表が務める時には、友人代表もしくは世話人代表として呼ばれる事が多いです。
また、喪主と言えば担当するのは1人のみという認識も強く持たれていますが、実際には1人に絞る必要性は無く複数人が担当しても無問題です。
こうした決め方がある中で、現代では以前に比較して見られる機会は少なくなってきているものの、れっきとした決め方としてあるのが故人から見て後継者を指名する事です。
以前は家督という考え方が広く認識されていたため、家督を継続する者として後継者が喪主になる事が多かったのですが、今日では家督という意識が低くなっていたり家族構成が大きく変化してきている様子から配偶者が最も優先度が高くなっています。
そして、決まった方は葬儀に纏わる全ての事柄の最終決定をするための決定権を有し、葬儀を総括的に見て監督を行い進行していきます。