親しくしていた人が亡くなった場合に、ご遺族から弔辞を読んでくれと頼まれる場合があります。
こうした時に遺族から依頼されるという事は、ひとつには遺族から見ても故人との繋がりが深かったと認識されているということであり、もうひとつには他の方から見ても弔辞を読んでもらうのにふさわしい親しさだったと思われる人という事です。
これは大変評価されているという事ですから出来たらお受けした方がいいのですが、人前で話すのが特に苦手とか文章を書くのが苦手という方は強いて受けずに辞退してもマナー違反とはいえません。
ただせっかくお声がけ頂いたのですから、ぞんざいに断らず理由をちゃんとお伝えして辞退する事が肝要です。
ご遺族も家族の死という重大な悲しみの中にいるのですからそうした気遣いはとても大事になりますし、後々気まずい思いをしないように配慮しなければいけません。
可能であれば、辞退する際には自分の代わりに弔辞を読んでくれそうな人を推薦するというのもひとつです。
幸い断らなくても大丈夫な場合には、最低限のマナーに沿った弔辞を書きましょう。
弔辞のマナーの一つ目は、あまり長くなり過ぎない事です。
葬儀には限られた時間しかありませんから、その中で簡潔に故人への思いを伝えましょう。
二つ目のマナーとしては多くの忌み言葉を避けておくという事があげられます。忌み言葉とは死を連想させる言葉のことで、不幸を直接的に表現しないという日本式の宗教観に根差しています。
これはお葬式においては重要な点ですので、どのような忌み言葉があるのかを事前に調べておきましょう。また、忌み言葉のもうひとつのパターンとして他宗教の用語は使わないという事があげられます。
普段私たちは宗教とは無縁の生活をしている人が大部分ですが、知らず知らずのうちに仏教に関連する用語を使っている場合があります。
例えば冥福を祈るとかご供養するといった言い回しは仏教用語にあたりますので、他の宗教の弔辞の場合には使わないのがマナーです。